福岡市東区　新築一戸建て住宅　コートヴィレッジ海ノ中道Ⅲ　「桐の家」

桐は成長が早く20年程で幹の直径が30～40ｃｍにもなり建材等に製材、加工できます。杉、檜材の1/3～1/5程度の年数です。また、畑のような平地で繰り返し生産が可能なので、環境に優しい建材といえます。
昔、農家では娘が生まれたら庭に桐を植え、お嫁に行く時にその桐で桐箪笥や長持をつくって嫁いだといわれています。昔は16～18才で嫁いでいたわけですから成長が早いことを意味します。

桐はゴマノハグサ科に属す植物の仲間です。このため木材とは異なる特性があります。もっとも特徴的なのは肌に触れたときの暖かさです。 その秘密は独立した空気層がたくさん密集した構造のため、熱伝導率が天然由来の建材の中では最も低いことにあります。冷たい時期、他の木材や金属などは、体温をどんどん奪うため冷たく感じますが、桐材に触れた瞬間、体温を一瞬にしてはねかえすから暖かく感じるんですね。

桐材の発火点は400℃以上といわれています。木材の中でも燃えにくい材料です。薄い材料だとさほど他の木材と差がないのですが、ある程度の厚さ（14mm～20mm）になると急に燃え難くなります。特に表面が炭化し水分を含むと殆ど燃えない状態になります。
「火事で桐箪笥の表面が真っ黒になっているのに中の着物が無事だった」というのは、そんな特性のよるところかもしれません。

一般的に床材に利用される他の建材と比較して傷がつきやすいのは確かです。それなりに注意をして取り扱いいただく必要があります。しかし、暮らしの中で生じた細かいキズは、サンダー（ヤスリ）をかけワックスで仕上げればほぼ元通りになりますし、多少の凹みであればアイロンなどで蒸気を当ててやればかなり回復します。大事に使っていただければ、十分長く使っていただける床材です。

今回使用している桐フローリングは無垢材ですから合板を接着させるため合成接着剤（糊）等は素材に含有しておりません。（表面に塗るワックスや塗料も自然塗料か安全が確認できるものを使用しています）。足腰にそして肌にも安心な素材です。

桐はあの備長炭よりも調湿機能がすぐれています。しかし、ウレタンやＵＶ塗装のような仕上で調湿機能を押さえては本来の性質を生かせません。無垢材での表面は汚れやすく、傷つきやすいところも桐材の特性ですが、今回使用しているフローリングは表面を浮造りとして、傷を目立ちにくくしながらも、なるだけ呼吸を妨げない仕上げにしています。